井島先生のおシゴト日記+α

平成30年 新入社員たちの一か月

◆新入社員も一月経過

入社時の新入社員研修を終え一か月。
今は会社側の気配りと配慮が素晴らしいこともあり、『五月病』の心配はさほどではないような気がしていまする。

この一か月、ほぼ研修に明け暮れた新人たちも多い。
社会人、ビジネスマンになったとはいえ、まだ『井の中の蛙』状態のようだ。

新人研修を2回に分けて実施している会社がある。
一回目は入社後すぐに、二回目はゴールデンウイーク明けに行う。

この機会に新入社員たちの一か月の変化を見てみよう。

◆平成30年の新入社員とは

どこの企業の研修を担当しても、
一回目の研修は大学の授業の雰囲気も漂い、講師としてはとても進めやすいといつも感じている。
仕事に対しての目標も明確で、聡明で、行儀が良い。
多少の緊張感も良いスパイスとなり、「新入社員のモデルケース」のように思える。

今の若者は“言えばわかる”ので、「こうしたほうが良い」「こうすべきだ」と伝えると、こちらの意向に沿ってくれる。
平成30年度の若者の一つの特徴でもある。
このまま、まずは育ってくれたら・・・と大きな期待をかけたくなる。

そして一月。
研修三昧の毎日とはいえ、どことなく新人から脱皮し成長の影が見える。

◆成長とは言えない2つの変化

どことなく新人から脱皮・・・と感じたのは、どこだろう?と考えてみた。

一つ目は、緊張感が取れて、こなれてきたのだろう、ということ。
良い言い方をすると、“余裕が出てきた”
別の言い方をすると、“自分流が出てきた”と言うところだろうか。

質問を受けても、それは質問と言うより反論に近いようにも感じてしまうことが多い。
「~しなくてはダメなんですか?!」という三角の目を感じてしまう。

そして2点目は、他者との距離感がつかめない、もしくは気にしないという事。
毎日共に研修を受ける同期とは『お友達』になり、
よきライバル、共に成長する仲間、ではなく“仲よし”なのだ。
世話をして、仕事をレクチャーしてくれている先輩は、
とっつきにくそうな年上の先輩・上司から“お世話係のよい人”へと見え方が変わっているように思える。

言葉遣いも、礼儀も、脱力した状態の言葉遣いと礼儀がそこにある。

◆有意義なはずの一か月をただの“ぬるま湯”にしてはいけない

一見人間関係が順調に築けていると思いたいが、これがこのまま社外に放出してしまうと、
『マナー』はどこに行ってしまったのかということになりそうだ。

新入社員の研修は一週間から長ければ3か月、半年をかけるという職種や企業がある。
ぬるま湯にならないような環境を用意する、というのも、必要だと感じる。

五月病もあるが、九月病も少なくない。

きめの細かい長期の研修後に、いきなり「ハイ、自立して!」と大海に投げ出されることになる蛙は、
ただ頭でっかちなだけで、実際には泳ぎを覚えきれていない。
少しずつ、泳げる蛙を創ることが、企業としては重要な事だ。

◆“現場”という刺激を上手に加えてこその育成が必要

「お客様は誰か」「今敬うべき相手は誰か」
そして「自分がどうすることが、自分のどんな言動が、実際に求められるのか」
これは机上のみでは理解しがたい。
しかも、今仕事・会社に最も求められている一つの側面でもある。

『現場力』をいかにつけていくかが、大きな課題だと感じる今日この頃だ。

ブロッサムの新入社員研修も2019年はバージョンアップで提供する。