井島先生のおシゴト日記+α

キャリアプランを考える

昨年度から自衛隊の業務管理教育の授業の一部をさせていただいています。
自衛官が退官に向けて、“民間”“一般人”として次のステージに移行するため、実に様々なカリキュラムが用意されているようです。
 
私は、同年代の自衛官の皆さんにビジネスマナーや自己理解、そして今年度は『50歳からのキャリアプラン』の授業をさせていただいております。
 
『キャリアプラン』と言っても、学生や転職者のキャリアプランと少々異なり、『これからどんな仕事をしていくのか』というより『これからいかにこれからの人生を過ごすか』という大きなテーマを抱えているキャリアプランです。
 
老後の3大不安に対して危機管理もしましょう、という内容ですから、人生の下り坂を目の前にして、いかに歯止めをかけるか・・・ということでもあるでしょう。
 
でも、本来『キャリアプラン』というのはもっと前向きで建設的であり、豊かな幸せな自分の人生のために、目標を設定し選択肢を選んでいくというものだと思っています。
 
授業の中では、「退職して明らかに経済状況は悪くなる」、「今も健康維持に対しては最大の努力をしているのでこれ以上は考えられない。」等々・・・そんな意見も多いのです。
う~ん、確かにそうではあり、現実でもありますが・・・・
 
いえ、だからこそ、黙って指をくわえていては大変なのです!
 
今日より明日が、暗くて悲しいと決まっていては、前に向かって進む気持ちがなくなってしまう。現実は、もしかしたら思い通りではないかも知れないが、それでも明るく幸せを想定して、そこに向かって頑張るのが『生きていく』という事。
 
キャリアプランは、マズローの欲求説で言うと“自己実現”に向けて、自分の生き方を考える事です。キャリアとは人生そのものでもあります。
『シークレット』にもありますが、ありたい自分を思い描く(目標設定)ことができるから、思いは叶う(進んでいける)といえます。
 
現実逃避という意味ではなく、建設的に論理的に考えていくのがキャリアプランです。
 
分別のある年齢になって、夢物語ばかりを語るわけにはいきませんが、自身の人生が明るく幸せなものでなければ、家族や周囲の人を幸せに出来ません。
私たちには少なくとも家族を幸せにするという責任があります。
そんな事を伝えきれる授業にしていかなくてはと意気込んでいます。
 
授業の最後にカーネル・サンダースの生き方、
「私は生涯現役。人を幸せにする事に引退はない。人間は働きすぎてだめになるより、休みすぎて錆付きだめになる方がずっと多い」
私が感動し感銘を受けたこの生き方を、キャリアプランニングの大きな有意義なきっかけになると良いと思って心をこめて語っています。
 
2010.6.8