ビジネスマナーの中で、挨拶の重要さについて、教えます。
礼儀でもあり、人間関係を構築するためにも、役にたつからです。
そして、『挨拶』だけをピックアップして、教えることも少なくありません。
クライアント様からのリクエストも多いので、
いつの時代も『重要なマナー』として認識されているのだと思います。
同時に、「わかっていると思っているほど、現実にはできていない!」ということでもあるようです。
人が親から最初に教わるマナーが、『挨拶』です。
朝起きて、「おはよう」
食事の時、「いただきます」「ごちそうさまでした」
人から何かをもらったら 「ありがとう」
そして就寝 「おやすみなさい」
本日も、『マナー教室』という2時間の研修をさせて頂きました。
一人の男性の職員の方(少々年配の方)が「挨拶は心のマナーです!私はそう思います!」と言いました。
私の研修は、参加者の言葉を繋いで進めるので、
「挨拶は心のマナー」を本日の研修の最初の大きなテーマにします。
常識とは礼儀というより、自分の相手に対する心配りや、マナーを伝えるのが挨拶。
『あなたに気が付きましたよ、どうぞ宜しくお願いします』
または
『私はここにいます。気付いてくださいね』
そのような意味を込めて、挨拶は伝えます。
心理学的には、挨拶は『ストローク』となり、自他に「認めています」「あなたを大事に思っています」という愛のメッセージです。
このストロークを受け取って、嫌な気持ちになる人はいません。
「認めれている」「愛されている」という安心感になるのです。
さて、では具体的に、どの様に挨拶をするとよいでしょう。
1.挨拶を送る相手を見て
2.挨拶敬語、例えば「おはよう!」に合う、声のトーンと抑揚をつけて
3.大事な人が目の前に居るイメージを強化して、表情をつけて
4.はっきりと声を出して「お・は・よ・う!」と言います。
5.相手が返事をし終わったら、目を離して、その場から移動します。
出来ていますか?
はっきり言わないと、「おはよう」が「お・・う」に聞こえてしまいます。
さて、挨拶をされた側は、
ただうなづくだけだったり、声を出さないというのは言語道断。
「おはよう!」には「おはよう!」と返事をするのが、ルールです。
出来れば、互いの共通の話題について、一言添えることができたら、人間関係の距離も近づいていきます。
さて、その昔、江戸では、「世辞が言えたら一人前」と言われていました。
『世辞』とは、人に会った時、挨拶の次に言うべき、「ご機嫌伺いの言葉」です。
例えば、「こんにちは」や「おはよう」のあとにいう、「近頃、すっかり春の陽気ですね」のような言葉です。
江戸時代、このような世辞は、人間関係をスムーズにするための外交辞令だったのでしょう。
江戸時代、子を持つ親は、『9歳前後までにいっぱしの世辞が言えるように』躾たといいます。
当時の9歳といえば、江戸商人の卵のようなもの。大人と対等に挨拶ぐらいできなくては話にもならなかったのでしょう。
いっぱしの世辞が言えたら、この子は周りの大人に可愛がられて、ちゃんと生活していける、という親としての安堵感もあったとか。
さあ、現代では人と人とのコミュニケーションは十分にとれているでしょうか?
仕事や私生活でメールでのやりとりが多くなり、人と人との温もりのある関係が希薄になってきていることは否めません。
家庭内の挨拶や町内会での挨拶も、忘れかけているのでは?
語りかけた側が人間らしい温もりのある表現を使ったのなら、やはり返事をする側も、人間らしく対応をするべきでしょうか。
どちらか片方のみが心を遣って語りかけても、相手がそっけない反応をしたら、それは一方通行です。
会話もしかり、そしてその前に挨拶もしかり、です。
親に教わった挨拶…ちゃんと実践できているか、見直すにはちょうど良い時季かもしれません2015.3.27