BLOSSOM通信

ワークライフバランスの時代の人材・求職者の“価値観”

働き方改革、ワークライフバランス。
このようなことばにだいぶ耳馴れてきたとはいえ、打ち上げ花火の様に「有給をとらせろ」とか「残業時間を減らせ」とか、それこそ具体策無く言葉のみで振り回されている昨今。

ここにきて、
じゃあ、働き方改革って、そもそも何?
ワークライフバランスって、どう考えればいいの?
具体的には何がどのように変化したの?変化させなきゃならないの?
と次々と不安と疑問が湧いてきているように感じます。

先日、石油精製・販売、エネルギー事業を手掛ける大手の会社様で1時間ほどの講演をする機会がありました。

テーマは「今、求められる企業力」。
人手不足を乗り切るために、今一度働き方改革やワークライフバランスと向き合おう、という内容の講演です。

その内容を少しシェアしたいと思います。

若手の労働力を確保する、という視点で、話は進めます。

先ず、企業は今、求職者の価値観の変化に対応ができているかを問います。
5年前の企業の理論ですら、採用活動においては通じない時代です。
それほど、価値観が変わってきていると認識しなくてはなりません。

会社選びは、かつては【給与・勤務地】などわかりやすい基準で判断していました。
今はもっと【本質的な仕事の価値・自分のライフスタイルに合った仕事】で仕事を求めています。

こんな話があります。
「例えば、会社に入ってばかりの新卒でも、そこで一生過ごそうと考える人はほとんどいないといってもいい。
若い世代は、それだけ組織に対して絶対的は信頼感を抱いてはいないという事でもある。
中には、就職直後の5月から転職サイトを見始める人もいる。
ただ、それは会社に不満があるわけではない。自分の市場価値について把握するためなのだ。
昔は会社組織の中で自分の価値を上げるのが当然だったが、今は大きな人材市場の中に自分の価値を求める、そんな時代だ」

2017年版転職者心理調査で、「求職者が転職において重視すること」の結果が出ています。
20代、30代の上位には労働時間・休日・年収がもちろん入るのですが、両年代の2位に【仕事内容】(共に約66%)が上がり、【やりがい】というランキングは5~7位に位置づいています。

このことを見ると、
仕事には【やりがい】というより【自分の価値・技能に見合った仕事内容】をマッチさせたいという意思が反映されているのかと考えます。

【やりがい】は結果と連動することは否めず、無常ですが、【仕事内容】はマッチさえすれば、安定した気分で黙々と進めることができそうです。

ある意味の安定志向でしょうか。
苦手なことに取り組む必要を避けるというエコロジカルな考えともとらえる事が出来るかもしれません。

そして残っているエネルギーを自分のプライベートな時間にあて、自己成長につなげる・・・これがワークライフバランスの考え方でもあります。

そこで、求人を出す側としては、そこの価値観に合わせることが必須でしょう。

企業側は採用したい人材像の定義を明確にし情報発信をしなくてはなりません。
どのような人が欲しいのか、その求人用件を提示します。
また、企業側は求職者に対し、どのようなキャリアを提供できるのかも、それがイメージできるような情報提供も必要となってきます。

さとり世代の若者は、聞き分けのよい素直な人材というように見えますが、なかなかしっかりしていて、納得しないと動かないという頑固な部分も隠し持っています。
その頑固さは、自分の価値を的確に評価されると、成長・定着へと変化していくのではないでしょうか。