年の瀬になると、気持ちがはやり、ついつい先のことに目が向いてしまう。
しかも、今年が100%満足できた一年かというと、どこか、何かを残している実感があるのが人生。
だから、少々ネガティブに、ついつい先にことに目を向けてしまう。
「ああ、年が明けると、また歳をとるのかぁ・・・」
「年々、あちこち衰えてくるよなぁ・・・」
等々。
半世紀以上も生きてくると、目の前に見えるのは、いつの間にか上り坂ではなく下り坂。
ふぅぅっと、弱めのため息をついている自分に気づく。
さてさて、そんな時にすごい人を見つけた。
今も第一線で制作している美術家の篠田桃紅。
「103歳、ひとりで生きる作法」という著書もある。
その中から・・・
「老いたら老いたで、まんざらでもない。
満足というほど、はっきりしたものではないが、
まんざら、でもないのである」
まだまだ私は若輩者だが、ふ~んと大きくうなづけるところがある。
私の場合は、“時の流れに身を任せる”しかないのかも、という、一種の諦めっぽい意味合いが強いが・・・。
でも、よくよく思ってみれば、年齢というのは、その歳歳、それなりに『まんざらでもなかった』気がしてくるものだ。
「昨日よりも衰えている。
しかし、人の成熟はだんだん衰えていくところにあるのかもしれない」
なるほど、と感動。
そんな風に感じ取れる自分でありたいと思う。
あと数日で平成27年も幕を閉じる。
次の幕をどう迎えるか。
どちらも幕に対しても、しっかりフィードバックをし、そして顔をあげて進んでいこうと思う。
自分は自分。
自分の人生は、自分の人生として、自覚し責任を持ちたい。
「たったそれだけのことで死ぬのか、と言えばそれまで。
たったそれだけのことで生きるのか、と言えばそれまで。」
2015.12.27