今回はキャリアコンサルタント井島恵子として。
自分の仕事・適職を考えている方へ。
社会人になる、仕事に就くときに真っ先に考えるのは、「どの会社に入ろう?」よりは「どんな仕事に就こうか?」ではないだろうか。
どんな仕事が自分に向いているのかをないがしろにはできない。
大学や専門学校で選んでしまった学部や専門的な勉強を、できればそのまま仕事にしたい、とかしなければならない、と頭によぎるかもしれない。
さあ、適職とは何だろう?
キャリアコンサルティングでは、【職業興味検査】で、好きと興味が仕事のマッチングに大きな影響があると考える。
このテストで自分の特性がわかり、職業の向き不向きが少し見えてくる。
これを【マッチング理論】という。
新入社員の早期離職は、この理論から言うと『ミスマッチだからではないか』と考えることもできるかもしれない。
そして、そうはいっても、リタイアの時期になると、人は、「考えてもいなかった仕事で評価をされ、よくやってきたなあ・・・」と回顧する。
実は、人は多様性な職業に就く許容性を有している。
自分を振り返ってみても、納得がいく。結局腹さえ据えてしまえば、結構どんな仕事もやれてしまうのだ。もちろん直面している業務やその課題に対処していかなければ前に進めなかった。
それが職業人としての成長の軌跡でもある。
これを【発達理論】という。
どちらの理論もありなので、否定できない。
どちらもありなので、しっかり見極めることが重要だと考えてみてほしい。
自分に合っている職業は?
アセスメントと呼ばれるテストで自己分析をし、ある意味客観的な結果でマッチング率の高い仕事を選択することができる。
客観から入るが、結果的にあっている仕事に就き“なりたい自分になる”ことができる。
そして、主観的な職業選択も可能である。しっかり自分のしたいことを考え“なりたい自分になる”道だ。
その時に明確化しておきたいのが【自己概念】。
考え方としては
「自分は〇〇な人間だ」というアプローチと「私が付きたい職業人は〇〇な人間だ」というアプローチの重なりあう部分が多いほど、【なりたい仕事=適した仕事】ということになりうる。
面白いことに、人は、その人の職業を聞くと、その職業からその人の人柄や性格、考え方までもわかった気がする。それほど関連がある、というか“合っている”と感じることがある。
「息子が自衛官になりまして・・・」と言われると、「息子さんらしいですね!」となる。
「娘が小学校の教諭になったんです」と言われれば「やっぱりね、小さいころからそんな感じしましたよ」なんて会話が成り立ちそうだ。
職業はその人らしさもにじみ出てくるものだ。
どうだろう?
今、大学生の就活の際のエントリーシートも、社会人の職務経歴書、そして志望動機は、この【発達理論】的な考え方で記載を求めているような気がする。
「希望する企業でこんなことがしたい、こんなことができる。」
しっかり自分を理解して、自問自答したことが、志望動機になる。
人にはそれぞれ心の中に職業的辞書があるという。
職業に対する“価値基準”が書いてある。
そして、その価値基準で仕事を選ぶことが多いはず。
例えば
「公務員は安定しているから不況の時でも大丈夫」
「CAは華やかで、笑顔の明るい人がおおいから、私に合っている」というような。
更に、【発達理論】の重要な部分がある。
それは、自己概念、自分は何者か、という観点から選ぶ職業選択理論なので、目の前に課題が来たときは、それを乗り越えながら進むことまでが含まれる。
乗り越えながら、対処しながら、ますます自分らしさを発揮し、自分らしい仕事力を身に着けていける、という考え方だからだ。
キャリアについても様々な角度からの考え方があるが、その一つを紹介した。
コロナで、生きている環境も、仕事の環境も変化しているし、その変化に対応しなければならない。
職業を考える機会も少なくないはず。
理想通りにいかないところもあるが、考えることを余儀なくされたなら、ありがたく考えてみるのもいいかもしれない。