昨年12月、北海道庁『女性職員活用推進セミナー』において、講師をさせていただく機会が在りました。
テーマは「ワークライフバランス」についてです。
私は副題を「女性の働き方を変える」として、お話させて頂きました。
背景には、アベノミクス成長戦略があります。
今年は、女性が、職業生活において、その希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備するため、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」も制定されました。
平成28年4月1日から、労働者301人以上の大企業は、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定などが新たに義務づけられることとなります。
雇っている側も、雇われている側も、新たに意識をし、変革していくことを、積極的に進めて行かなくてはなりません。
「すべての女性が輝く社会づくり本部」が司令塔となり、女性の活躍を阻むあらゆる課題に挑戦し、「すべての女性が輝く社会」を目指していくという政府の動き。
北海道庁様もいろいろと制度の見直し等を進めてきているそうです。
私がその中で出来ることは限られているのですが、
現時点で実際に仕事をしている女性の皆さんに向け、
『ワークライフバランス』について、正しく理解していただくことが重要だと考えています。
今、『ワークライフバランス』について把握し、学ぶ時期であることを、私自身も認識しています。
さて、「すべての女性が輝く社会づくり」は重要な事であることは理解しています。
しかし急に降ってわいたように、『女性をたくさん採用しましょう!』『女性を積極的に昇任させましょう!』と聞こえなくもないことが、若干の勘違いを生み出しているのも事実でしょう。
女性ばかりではなく、男性も面食らって驚いているかもしれません。
女性が以前『同じ能力なのに、なぜ男性が先に評価され出世するのだろう』と、疑問に思ったように、空しく感じたように。
もしかしたら、今は男性が同じような事を感じなければならないような状況に立たされることが実際に起こるかもしれないのです。
気を付けたいのは、
この制度は、決して女性を甘やかしたり、女性を持ち上げたり、また逆に女性の仕事に対する言い訳を後押しする制度ではないという事です。
私たち女性は、そのことをきちんと理解しなければならないのです。
オトコであろうがオンナであろうが、自分の環境・状況を見定め、やれること・やるべきことを主体的に選択し、決断し、行動に移す。
そこには的確で公平な評価を伴う、という事です。
少し大げさかもしれませんが、
“男vs女”ではなく、“仕事への取り組みかた”が人生を決めていくのです。
そして、ワークライフバランスもまた、女性のためだけではなく、男性にとっても、必要な事。
だからこそ、今注目をし、理解を深め、前進させなくてはならないという、全てのビジネスパーソンの当事者意識が必要なのです。
と、熱く語りかけたかったのですが、
結構、内容にチェックがはいり、70%くらい伝えられたでしょうか。
頑張ればよいというものではないのです。
人生はいい時も悪い時もあり、目いっぱい働けるときと、働きたくても働けない状況に居る時もあるのです。
出産は女性の問題ですが、育児、介護、等々・・・。
『人として』どう向き合うのか、選択・決断し続けなければならない事が次から次へとあるのです。
第一線で輝けるときと、裏方に回って人を立てるときが在るのです。
親に助けられる時もあれば、親を助けなければならない時があるのです。
ビジネス人生もいい時ばかり、自分の思うとおりになる時ばかりではなのです。
光の当たるところに何不自由なく立てている時と、
暗い影のところにいて、身動きが取れにくく、不本意な気持ちで居なければならない時と、
そのコントロールや支えが「ワークライフバランス」制度で大きく変わるといいのですが。
「私は女だけど、こんなに頑張った!だから今が在るのよ!!」と
叫ぶのは簡単。
以前私自身が、周囲や家族も考えず、そんなふうに自分を誉めていた時期が在ります。
ある意味ワーカーホリック、私の場合は完全ないいふりこきの自信家です。
「私は自分の人生を、家庭や家族もこんなに大切にし、自分の余暇も充実させ、だから人として大きく充実した私が今いるの!」と言いたいものです。
勿論、男女関係なく。
そんなワークライフバランス、そして女性活躍推進を伝えていこうと考えています。
誰もがそれぞれ“一致感を持って輝ける社会”のために。
2016.1.4