井島先生のおシゴト日記+α

1年目を迎える新人のための教育の重要性

フレッシュマンの入社時のビジネスマナー研修は一つの“慣わし”になってしまっていると感じる。
もちろん、悪いことではなく良いことだ。
ただ、できれば研修というものは有効に活用し、効果を出していきたいはずだ。

余談だが、
私がマナーインストラクターになった頃は、北海道に素晴らしい先輩がいた。
マナーインストラクターの第一人者だと思う。
その方は当時NTTに在籍されていた伊藤さんだ。
20年もたつのに、まだお目にかかったことがない。
でも今でも私にとって大きな存在で、その背中を追っている感覚を大事にしたいと思っている。
平成5年の頃には、ビジネスマナー研修は新人教育のスタートとして行われ、今に至っている。

さて、話を20年前の新人研修に戻すと、
右も左もわからない新人たちは、覚えなければならないという業務命令のような気持で、
マナー研修を受けているように見えた。
一人前になる登竜門が新人研修。
学校では教えてくれないビジネスマナーが新鮮でもあり、興味を引き、そして必須だった。

あれから20年。
大学でも「就活のためのビジネスマナーセミナー」は当たり前のように行われるので、
入社時の研修は“ほぼわかっている”ことが多い。
そつなく、理屈を理解してもらえる。

とはいえ、「知っていること」が「できる」とは限らない。
が、4月の時点では、「知っている」ので「できそう」に思えている。

実際にビジネスマナーを復習したくなるのは、半年後から10か月後かもしれない。

独り立ちする時期に、急に不安になる。「これでいいんだっけ?」と。
名刺の交換も、席次も、会話の仕方も、報告のあげかたも。
ところが、「今更聞けない・・・」雰囲気を感じるのだ。

弊社では新人のフォロー研修をご提案し続けているが、
「時期が合わない」「現場に任せている」等々の理由で、なかなか実現しない。
現場力が本当にあればいいのだが・・・。

そんな中、建設業協会様の人材育成プログラムの「1年目の同窓会」の講演をさせていただく機会があった。
二回目の取り組みなのだそうだが、早期離職を防ぎ、モチベーションを維持し、
同期の関係の継続を考えての、建設業の業界一致の熱い想いを感じることができた。

3~5年先輩の体験談と交流もあり、身近なロールモデルを見つけることができそうだ。

講演は「自分の明日を考えよう!」というテーマで目標を持ち、自分を変えていく習慣力の話をした。
そのあとはグループワークで、実際に起こりうることを題材にしたケーススタディを考えてもらう。

私は、1年目に向けて、後輩を受け入れる心の準備のためにも、この建設業協会様のような取り組みに賛成だ。

正直、1年目の社員でも、現代はまだまだ言動に幼さがあることは否めないが、
確実に成長していることも確かなのだ。
普段と違う環境の中で、新たな気づきがあるに違いない。

今回は実践的なビジネスマナーの話はなかったが、
会社の顔としての自覚を裏付けるビジネスマナーやコミュニケーションの手法について、教えたくてうずうずしてしまった。

ここ1~2年は売り手市場といわれる。
学生側から見ると、ラッキーなことだ。
企業側からすると、人材確保が大変だ。
もしかすると、若干の妥協もありで人材を確保しなければならないかもしれない。
そして、その人材は育てなくてはならない。

売り手市場の時ほど、きちんとした教育を併用していかなければ無駄な損失を生んでしまう。
採用した以上、一定のレベルに育てなければならない時代だ。やめられたら簡単には代わりの人材は見つからないからだ。

勝手に自助努力で育っていく人材はごくごく一部だ。
多くは手を取り足を取りしても、上司の思ったようには育ってくれないかもしれない。
早期に手を打ち、モチベーションを維持させ、そして研修を通して学びから自信へ、そして意欲へとつなげていきたい。

「1年目の同窓会」100名以上の同窓生が集まった。
漫然と日々の業務をこなすのこともできるが、
何か目標を持ち、そのための努力をするのが、2年目だと思う。
努力は面倒で大変だが、継続していくうちにそれは「習慣」となる。
自分を成長させ、変えていくには、大きな面倒なことは不要だ。
小さいことを確実に継続することだけなのだ。
成功は良い習慣をしっかり身に着けることに限る。
小さな習慣の差が大きな成果の差となる。
・・・そんな当たり前の話をしてみた。

何かを感じ、明るい目をして帰っていく若者たちの顔が、かっこよかった。

手をかけた分、必ず人は大きくなるはず。

#1年目研修 #新人研修 #人材を育てる