BLOSSOM通信

若者の『働く価値観』について考えてみる

11月から北海道アルバイト情報社が行う札幌市のワークトライアルの座学を担当します。
2019年度の後期は対象者の年齢が少し幅広くなり、転職のための就活にも役立つのではないかと思っています。

私の身の回りの若者と話をすると、
大学4年だけれど就活はあえてしないで、1年くらいは今までできなかった旅行等に行く、とか、海外留学をする、という話も聞きます。

自分の頃とは『時代が変わったなあ』と感じます。
自由な発想もあり、また、親もそれを認める時代になってきているのでしょうか。

そんななか、目にしたのが、【2019年 20代、30代の働く価値観の調査】

近年、
『覇気がない』『積極性がない』『プライベート重視』などの声が聞こえる若者への評価。
実際はどうなのだろうと関心があります。

【今の仕事や環境に満足している理由】を見ると、
1位 仕事内容が良い、やりたいことができている
2位 給料に満足度あり
3位 人間関係がよい

ということです。

ひょうひょうとしているように見える若者世代が、やはり「やりたい仕事がしたい」というのでほっとしたところでした。
プライベート重視という話も聞きますが、私の周りの若者は、必要であれば残業もし、責任感を持って働いている人が多いので、『やっぱり、そうだよね』とうなづけるものでもありました。

ただ、
キャリアデザインをさせるとき、私が違和感を感じることがあります。
それは、【やりたい仕事】について、さほど考えていない事。
「どうしてその仕事なの?」という問いに、明確な回答、自信のある回答を得ることが、なかなかないのです。
【やりたい仕事】に対して、目を輝かせてわくわく語って欲しいのに、上っ面の考えなのか、セルフコーチングができていないのです。

実際に私もこれからワークトライアルの座学に入り、キャリアデザインをさせていくのですが、

それぞれが仕事・就業に対し重要視していることは、全面肯定します。

やりがいを優先する という人が46・5%
稼ぎを優先する   という人が43・2%

それらを重要視し、適切な就職先を選び決めていくには、やらなくてはならないことがあるはずなのです。

それは
①自分の能力や技術、知識、スキル等のすり合わせ
近年は自己評価が根拠なく高い人がいるので(学校で自己評価を上げる指導をされているせいもあると思いますが)、しっかり現実を認める、見つめるという作業です。

②自分の価値観を明確にする
相手の価値観に合わせることができる柔軟性があれば問題なしですが、価値観の際は、時に相手への批判と反発に変わります。相互の価値観を照らし合わせ、自身が、客観性と柔軟性をもって臨めるか、という確認が必須です。
出なければ、どんな企業もその人にとってブラック企業になるでしょう。

③やりたいことを素直に考える
「やりたいことは何か?」「そのやりたいことができたら自分はどうなるのか?」自分に納得のいくまで問いかけ答えを出す必要があるのかと思っています。
どうしても、かっこつけた理想や、周囲の目や意見を気にして、自分の本音度外視で“やりたいこと”を創っている人もいるのではと感じています。
出身大学や学部だけではなく、取得した資格だけでなく、本当に自分が興味を持ち関心をもっていることに気が付くことが大事です。
それがモチベーションのベースや方向性にもなるのです。

北大を卒業した人はどんな仕事に就くのだろう?どんな仕事が似合うのだろう?
ついつい、私もこんなふうにイメージしてしまいます。
過去のワークトライアルで、有名大学を出た人が、お米屋さんへの就職を希望しました。
正直私は「えっ、なぜそこ?」という疑問がわきました。
もっとすごい会社でもっとすごい仕事ができる人なのでは・・・と勝手な妄想をしていたからです。
この人は、しっかり自分と話し合い、自分の“優先したいこと”との合致点を見つけたのだと思います。
今もしっかり、いい仕事をしているようです。
この彼に教わったことです。

若者に限らず、
【自分が仕事で優先したいことは何か】をしっかり持ち、それを【裏付けできる自分の気持ちや考え】を整理することが大事なのです。

職業人として生きる時間は家族とともに暮らす時間と同じくらい長時間であり、重みもあります。
しっかり考えて仕事を人生の糧にして欲しいと思います。