BLOSSOM通信

人付き合いの上手い、下手

弊社主催の『人間関係をうまくするための心理講座』を開催しました。

私自身、人付き合いがうまい方ではありませんでした。

今現在も、なかなか自分の殻が固くて厚くて、その心地よさという安心感に浸りたいことも少なくありません。

一人っ子の私は、オトナの中で育ったこともあり、どちらかと言うと、何も言わなくても周りが世話をやいてくれました。

どこに行くのも、手を引いてもらい、オトナが全部しゃべってくれ、全てお膳立てしてくれるような中で、“おとなしく人見知りの子”として大きくなりました。

母が、祖父母が、叔父や叔母が、そして、同い年のしっかりした友達までもが私を守ってくれていました。小学校4年まで。

その間、私の自分の殻がどんどん厚く固くなったのだと思います。

ところがいきなり、五年生から、見知らぬ土地で新しい環境での生活が始まるのです。

新しい学校、新しい人間関係。どうしていいか分からず途方に暮れていた11歳の少女がいました。

世話やきの叔父や叔母、過保護な祖父母がいないのです。

この時から、私は自分の口と体で、言葉と行動で、自分を表現しなくてはならなくなりました。

スタートが11歳ですから、今でも上手ではないと思う事が、よくあります。

言わなくてもわかってもらえてる、言わなくてもわかってもらいたい、と自分勝手に考えては、そうならないことによく落ち込んでいます。

人の温かい思いやりや気遣いは、当然のように思って、ついつい甘えてお礼を言い損じてしまうこともあって、冷や汗ものなのです。

そのくせ、実は甘えべたで、肩肘張って強がっては人の好意を受入れなかったり。オマエは何様だー、ですよ(笑)

「人付き合いのマニュアル」を身につけたら、もっと人脈も広がるのでしょうか。

さて、今回のセミナーでお伝えしたこと。

人間関係・人付き合いで何が大きな問題かというと、『自己表現できていない人の問題』だという事です。

いつどこで会っても、素敵な笑顔と思いやりの言葉で迎えて包み込んでくれる人がいます。

勿論、この人は誰からも好かれ、人付き合いに問題なんてなさそうです。

根っから天真爛漫なのか、ポジティブというか、打たれ強いというか、前向きというか・・・。

その人のそばに行くと、パワーがもらえるような、そんな人がいます。

勿論、この人も周囲を明るい雰囲気にし、いい人間関係を創っています。

この人たちに、

何か「人付き合いマニュアル」のようなものがあるのでしょうか?

この人たちは、

人に好かれようと、人に好かれるために、ムリをして努力をしているのでしょうか?

人付き合いに苦手意識を持つ人は、自分を過小評価することがあるかもしれません。

「自分は人付き合いが下手なんだ。だから、他人に迷惑かけることが多いんだよぉ」

人付き合いに苦手意識を持つ人は、自分を卑下することがあるかもしれません。

「自分は人に好かれない性格で、ダメ人間なんだよぉ」

こんなふうに思う事があると、だんだんと引っ込み思案になって、自分から人や人との付き合いを避けるようになってしまっているかもしれませんね。

もし、人付き合いのマニュアルがあって、精一杯人に好かれようと努力をしたとしても、人は10人10色、そうそう好かれたり、いい関係ばかりが築けるわけではありません。

そして、それが“あたりまえ”なんです。

もし、人付き合いがとても上手な人がいるとしたら、

その人たちは、自分らしく、また自分らしさを隠さず表現しているのです。

演技なんて、どこかメッキがはがれてしまう事があるのです。

自然体で、自分の感情や考えで行動していいのが、人付き合い。

だから、

もし間違ったことをしてしまったら、ごめんと誤ってやり直せばいい。

もし言った言葉が相手に誤解を与え不快にしてしまったら、伝えたかった本当の意味や気持ちを、付けくわえて伝えればいい。

もし、相手の言葉で悲しくなったら、悲しくなった訳を言ってみればいい。

もし、相手の行動で腹が立ったら、本当はこうしてほしいのだと頼んでみればいい。

人付き合いがうまい人は、自分の意思や気持ちを大事にしている人、ないがしろにしていない人です。

『人付き合いのマニュアル』なんて、ありません。

自分の意思や気持ちをしっかり把握してコントロール出来ている人が、楽しそうに人と付き合っているのでしょう。

「〇〇さんが私を悪く言うの!いやだわ!」

「〇〇さんって、いつもタカビーで、威張ってて、嫌な感じよね!」

ひと付きあいの下手な人は、会話の主語は『私(自分)』ではありません。

ここにもう、自分の意思と気持ちをないがしろにしているのが分かりますか?

「〇〇さんが私を悪く言うの!いやだわ!」

⇒「私は、〇〇さんにもっと私のいいところを分かってもらいたい。仲良くしたいわぁ!」

「〇〇さんって、いつもタカビーで、威張ってて、嫌な感じよね!」

⇒「私は〇〇さんがいつも大きな声ではっきりものを言うので、なぜかドキドキしてしまって、少し萎縮してしまいます。もう少し穏やかに話をして欲しいです。どうでしょう?」

人付き合いがもしうまい人がいるとしたら、その人はこんなふうに自分の気持や考えを伝える努力をしている人です。

これは『アイメッセージ』と言います。

①主語をつけて気持ちや考えを述べる。「私は・・・・・・・です。」

②その理由を伝える「それは・・・・・・・・だからです。」

[※理由を伝えることで、自分に対する責任が芽生えるのです。]

と、意識して会話してみる、これも立派な自己表現です。

簡単ではないかもしれないし、抵抗や反発が自分の内部から沸き起こるかもしれません。

でも、“出来る事”です。

人付き合いをうまくしていきたいなら、まず、自己表現をするところから、です。

私もまだまだですが、自分を隠すよりは、自分を好きになって、自分に責任と自信を持って自己表現しようと日々意識しているところです。

そして、人に対し心を開いて自分を表現していく関係を持つ中で、相手の素晴らしい所を吸収していけることも、最近やっとわかってきました。