BLOSSOM通信

どんな人を採用したら将来会社を背負ってくれる人材になるのか

企業は来春に向け、既に内定を出し始めていく時期でしょうか。
売り手市場とか、人材不足とも言われる昨今、
人事担当が考えるのは、
「どんな人を採用したら将来会社を背負ってくれる人材になるのか、そこに法則はないのか?」です。
その疑問に答えはあるのでしょうか。

学歴社会というか、偏差値の高い難関大学を出た人ならハズレを引く確率が小さいと考えているようにも思える現代社会。
年功序列で、安定を求めているのなら、それでも人財なのかもしれません。
しかし、今、会社にイノベーションを起こして、売り上げを伸ばしてくれる人材という目標なら、それはちょっと考え直す必要があります。

ある講演で、グーグル社で人材開発をやっていたピョートル・フェリークス・グジバチ氏が、『成果を出す人のパターンが分かった』と話しました。
今の時代、大学名はほぼ関係なく、ハーバードだろうが、日本の四流私大だろうが、とりあえず大学さえ出ていればほとんど差は出ないとのこと。
どうやら学歴というか卒業した学校のレベルや知名度ではないようです。

どこで差が出るのかというと、
『その人が人生で苦労を乗り越えた経験があるかどうか』だと言います。
面接時に訊かれる定番質問でもあります。
• 人生で最も嬉しかった出来事は何ですか?
• 最も辛かった、苦しかった出来事は何ですか?
これは聞き出す切り口が異なるだけで、訊きたいことは
『何を乗り越えたからこそ、今があるのか?そこから学んだことは何なのか?』です。

辛いこと、苦しいことがあった→でも、それを乗り越えた!乗り切った!
こういう体験をしている人は、『努力は最後には報われるのだ』という価値観を持つようになります。
そして、辛い場面に遭遇しても、愚痴を言うことがありません。愚痴を言っても状況が変わらないということが分かっているので、愚痴を言う暇があるのなら、前向きな結果を生み出す何かをした方が良い、と考えます。

今は既に死語になっている『ハングリー精神』とは、あえて辛い苦しい経験に立ち向かう姿勢のことでした。
辛いく苦しい経験は、人生の中で誰にもひとつやふたつはあり、その時に、キチンとそれを乗り越えたのか、そこから逃げ出してしまったのかで、人間としての格・精神のランクが出来ていくのかもしれません。

企業にとっての人財とは、を考えることも重要ですが、自身の人生にも重要な事があります。
「克己自彊」(こっき じきょう)。己に打ち勝ち、自ら人生を切り拓きましょう。
私の母校の校訓です。学校に行くたびに目に入っていました。
http://www.sapporohigashi.hokkaido-c.ed.jp/zen/syoukai/syoukai-top.htm#koukun

たまたま、テレビのワイド番組で二世タレントの不祥事が取り上げられていました。
彼は今年の春も、自らの事件に対する反省と今後に向けての意思を話していたのですが・・・。

自制心とか克己心というものは、『どんな苦労をどう乗り越えたか』が根底にあります。

チヤホヤされて苦労や苦難を知らずに育つと、いつか、その育ちの良さや、その華麗な人脈が役に立つことも大いにあるはずです。
反面、苦労しないっていうことは、人財にはなり得ない、企業の戦力にはなれない、という事が言えるかもしれません。

人材を見極めていくことも企業の明日を考えるうえで重要です。
そして、もう一方で、その人材を育てていくのも企業として必要不可欠です。
その両方で、ある程度の苦労や苦難を与えてやるのが、人を本当に育てるということなのです。

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