私は、自分の担当する研修には、必ず『人間力』を根底にしています。
ビジネスマナーにも、職場の人間関係にも、就職サポートの研修にも、です。
もちろん、内容が、リーダーシップや管理者を対象にした物になると、『人間力』をはずす事はできません。
2012年、中小企業旭川大学校の第1回目の講座を担当し登壇しました。
『信頼される!リーダーシップ入門講座』です。
近年、求められるリーダー像は、このスタイルでこれしかできない的な、全体を一まとめにして力の限り引っ張るという熱血且つワンマンなリーダーから、
個別の人間の能力や問題にも柔軟に適応し、且つ全体での成果にこだわるという、カルロス・ゴーンや星野仙一、なでしこジャパンの佐々木監督のような求心力と実行力のあるリーダーが望まれて、評価されています。
私の講座ではグリッド理論を使ったりPM理論を思い浮かべたりしながら、どのような指導やコミュニケーションをとると、それがチーム造りに有効に働くのかを考えていきました。
今回の講座は、今現在、リーダーとして部下を抱えている方が対象です。
モチベーションの高い、15名の男女が参加です。
もちろん一つの企業から数名が参加していただく事があります。
今回、旭川市内の会社の経営者のEさんとその両腕となる信頼できる女性のMさんと男性のTさんが、3名で1泊二日のこの講座に参加してくれました。
E社長は、「お前、行ってこい!というのは簡単だけれど、今回は、皆で共有するという体験をしようということで、参加したんです」とのこと。
もう20数年会社を経営しているとはいえ、まだ40歳代の、とてもパワフルな、存在感のある男性です。
研修に対しても、一番行動的に関わっていただき、若手のリーダーたちにも、影響を与えてくれました。
2日目の最後の単元では、自身のモチベーションを維持するためにも、明確なビジョンを持ちましょうというワークをしたのですが、
私は、運よく、E社長のビジョンを伺うことが出来ました。
もう既に、明確で、ゆるぎなく、ぶれようがないというビジョンでした。
はっきりした声と口調で話しをするので、これは、間違いがないと伝わってきます。
私も社長の端くれとして、こんなに力強く、きちんとビジョンを語れるようにならなければと、あらためて教えられた気がします。
そして、両腕として、信頼している社員のお二人への想いが、また熱い!
もちろん“信頼”ありきですが、一心同体というくらい、一致感のある人間関係を築かれているのです。
共働共感!というか・・・。
とてもとても、その姿勢はカッコ良かったです。
2日間の最後に、振り返りのコメントを頂くのですが、
この会社のTさんが
「2日間の研修は、大変ためになり、役立てられることばかりです。
これはすごいな、と考えているうちに、ああこれ今まですっと社長に教えられたり、言われていたことばかりだと、あらためて気づきました。
社長が、私にたくさんのことを教え、導いてくれていたんです。
今思っているのは、社長が私にしてくれたことを、私のところで途絶えさせるのではなく、自分の責任と思いで、多くの社員につないで行きたいと思います。
社長!ありがとうございます!」
と、堂々と話しをされました。
私はちょうどE社長のビジョンを伺った後でしたので、Tさんのこの言葉に、感動で胸が熱くなりました。
もちろんE社長は、心の中では顔がチャグチャになるほど嬉し泣きをしていたと思います。
研修の講師をしていても、毎回ドラマに遭遇します。
スポコンばかりにドラマがあるのではなく、仕事・ビジネスという世界にも、胸熱くなるドラマがあります。
人間力がドラマを創ります。
そして、その二人を終始穏やかな笑顔で見守る女神のようなMさんが、この会社を表しているようでした、
2012.4.16