〇『林先生が驚く初耳学!』
日曜の夜、『今でしょ!』の林修さんの出ているテレビ番組を何気にみていた。
この番組は林先生の博学なところに対して、「初耳なこと」ってあるのだろうかと、いろいろな事象をぶつけていく内容だ。
この日は
「ソフトクリームのコーンに模様がある理由」など、季節感のあることもやっていた。
いつも林先生のものしりなところに、感心している。
知らなかったことを知るのは、楽しい。
そんな中、いつも以上に「へえ~」と教わった事がある。
それは、ことば使いだ。
〇「申し訳ありません」はおかしい!?
私も、敬語や言い回しを教える職業柄、いろいろ勉強もしているし、調べたりもしている。
クッション言葉として、相手の意に添えないときに使うのが「申し訳ありませんが」だ。
謝罪の挨拶ことばは、ビジネスでは「ごめんなさい」や「すみません」は使わないので、「申し訳ありません」「申し訳ございません」だと教えている。
私の頭の中では定番だったので、疑問に思ったこともないが、この日、林先生が素晴らしい解説をして教えてくれた。
「申し訳ない」というのが、一つの単語なので、
本来、この単語自体をかえて、「申し訳ございません」「申し訳ありません」と変換することはおかしい。
でも、「申し訳」(=弁解、言い訳、申し開き)」という独立した名詞に「ない」がつくというように考えているから、「申し訳ございません」「申し訳ありません」等、様々な使い方もできる。
よって、「申し訳ない」も、既に一語として出来上がった形容詞と見るか
元々の言葉の作りどおり 格助詞が省略された「申し訳(名詞)+ない」と捉えるか、ということだ。
〇言葉遣いはその場の雰囲気に合わせることも重要
「林先生はどう使っているのですか?」という問いに、
「自分は相手(特に目上の相手)に合わせる。相手が「申し訳ありません」と使っているようなら、敬意をもって同じように使うようにしている」
と回答し、そのマナー力の高さにも周囲をうならせていた。
ことばつがいの「正しいOR間違い」にこだわる人も少なくないが、
「正しい」より「(その場に)ふさわしい」ことを優先に考えていくと良い。
最近は方法があふれかえっているせいか、
「正しい」ことを追求したくなってしまう方向に向くことが多い。
答えが一つの方が、確かに楽だ。
私が教えているビジネスマナーも、よく「本当にそれが正しいのですか?」と聞かれることがある。
私が教えることは正しいことが多い。正しいことを基本にしている。
但し、ビジネスマナーも相手ありきの言動。
相手次第で、正しいこともひっこめなければならないことも少なくないのだ。
「はい、これが、今私が伝えたことが”正しい”と覚えておいてください。
但し、マナーというのは相手を辱めたり、批評するためにあるものではなく、相手に敬意をもって、仕事を円滑に進めるための仕事力です。
その場でそのマナーが正しいかどうかは、”その場においてふさわしい”か、と自分に問いかけて判断して下さい」と回答する。