ビジネスマナーを教えることを生業とし、会社を作って約20年。
私が【ビジネスマナーのインストラクター】として養成の教育をされた背景には、「バブル」がありました。
経済が回っていた時期ですが、世の中は更に回すことを考え、その一つの手段として「ビジネスマナーを身につけ社員と会社のクオリティを上げる」ということを考えていたのではないかと振り返ることができます。
今と同様、概ね新入社員研修の中に盛り込まれることの多いビジネスマナーでしたが、誰もが一つ目のハードルであるビジネスマナーの習得にまじめに取り組んでいたと時代がありました。
服装・身だしなみ・電話応対・来客応対・名刺交換・席次等々。
当たり前で、一辺倒ではありますが、どれも不可欠な知識であり行動です。
それがベースになり、中堅社員になっても、役職が付いても、「社会人として」きちんとした対応ができる人になる、という構図です。
私自身、身をもって感じて体験したきたことでもあり、やりがいと自信を持って教えていたことを思い出します。
丁度時代も【人は見た目が9割】となり、【外側から整える時代】でしたし、それが中身にもつながっていく教育でした。
あー、あれから20年(笑)
この頃は『もうビジネスマナーの講師としての仕事・ニーズが無くなるのではないか・・・』と真剣に考えだしています。
私の会社と私にとって、笑い話ではない死活問題です。
服装も、ビジネススーツから、今ではジーンズにポロシャツだったり、革靴からスニーカーです。ブリーフバッグからリュックに変える人が多いです。
会社の固定電話にかかっていた電話は、個人のスマホにかかり、お問合せしたいことはメールでと指定されてしまいます。
コロナの影響以前から、来客にお茶を出さない会社も多くなり、応接室も減っていきました。
それもこれも【時代】です。
贖ったところで仕方のないことではありますが、では『ビジネスマナーは不要か?』というと、そうではないはず。
ビジネスマナーを作法のように教えてきたことも事実ですが、ビジネスマナーの本来の姿は【仕事をスムーズに進めるための配慮】です。
カタチというより気遣いというキモチなのです。
カタチで伝える作法は変化せざるを得ないこともあるでしょう。
そして、キモチはカタチを変えるのであればなおさら、伝えなければならないものだと考えています。
特に、それはコミュニケ―ションで必要性が高まっているのではないでしょうか。
会話・交渉・説得・・・様々なコミュニケーションの状況と場において、言葉に過不足のない適当な会話ができていない状況に、よく出会います。
コミュニケーション能力は、ビジネスマナーに裏付けられているのです。
相手への配慮や、仕事をスムーズに迅速に進めていこうという意思が無ければなりません。
これからのビジネスマナーは【コミュニケーションマナー】だと考えています。
【コミュニケーションマナー】の能力や技術が伴わない仕事は、お客様からの不信感につながりそっぽを向かれてしまいます。
社員一人一人のコミュニケーションマナー力の向上が必要不可欠なのです。
ここに【ビジネスマナー】の意味がありましたね。