井島先生のおシゴト日記+α

平成28年度 札幌商工委会議所「女性管理者研修」

年に一度、札幌商工会議所で「女性管理者研修」を担当させて頂いています。
今年で約10年、10回くらいにはなるのではないかしら・・・と振り返ることができるほど、
長く続けて頂いています。

10年前というと・・・
男女雇用均等は当たり前になりつつも、
まだまだ女性の関わることができる仕事には制限があったように思います。
そして、昇進も、男性のそれよりははるかに時間がかかる時代でした。
働く女性の側も「昇格・昇進」は、どこか自分には関係の無いもののように思えていたかもしれません。

ですから、
当初の「女性管理者研修」は対象が「女性の管理職、またはその位置づけにある方」としていても、
実際はそのポジショニングに対する期待の自覚のない女性が多くご参加いただいていました。

仕事の内容やボリュームは、ハードで管理者のようなのですが、
「君に任せたよ!」と激励だけはもらうが、立場や肩書は無く、職務の遂行にはご苦労をされていた女性が多かったです。

研修の内容は
「コミュニケーション」「指示の出し方とフォローの仕方」等を女性の特性を活かして発揮して行きましょうというものでした。

4年くらい前から、
「上に立つ」という意識の高い女性が参加してくださるようになりました。
やっと男女の格差が無くなってきていることを感じるようになったころです。
それでも2013年のジェンダーギャップは、日本は世界103位。
まだまだ「女は働きにくい」という状況は否めません。
このころは「男性と違うことを自分(女性)らしくするためには」的な内容にしていました。
男性と争う事より、自分らしさを出していくことを勧めていました。

そして、
昨年、今年は一気に雰囲気が変わりました。
意識も意欲も高い、男性と同レベルで仕事をしている女性が参加しています。
いかに仕事を効果的に進め結果につなげていくか、ということに目が向いている女性ばかりです。

時代の変化は流れ出してしまえば早いのだと、改めて実感しました。
但し、制度は進化しても、それをサポートする現状は追いついていません。
出産や育児のために、能力を認めてもらえなかったり、仕事の規制をうけている女性も本当に多いのです。

しかし、『女性』に目を向けているうちに、
実は男女の関係なく、仕事とプライベートの時間の使い方を考えなくてはなら無い時代に突入してしまいました。

男女の関係無くビジネスをしていくということは、
プライベートも女だから、男だからという男女の格差がなくなるという事です。

母親だけに子供の保育園の送り迎えを強いることはできません。
親の介護や世話を妻にばかり強いることはできないのです。
対等に仕事を持つということは、そういう事です。
しかも、40代50代で独身の男女も少なくありません。
家事も親のことも、男女の関係なく、迫って来ているはずです。

私はずっと働いており、
順調にポジションも与えてもらった経緯が、この「女性管理者研修」を担当させて頂くきっかけなのだと感じています。

当時女性のプロパーして、初めてと言えるほど、JR北海道でポジションをもらい、責任を持たせてもらい部下を使い仕事ができました。
その頃は、そのトピックが珍しかったのだと思います。

その裏で、
私は出産をし子育てもし、親の介護をしみとりました。
今度はこの裏の部分の経験が、女性管理者の皆さんの役にたつ情報になっていきそうです。

そのような「ワーク・ライフ・バランス」の内容も今年度からは充実させました。

時代に合わせながら、また女性管理者の移り変わりも見つめて行きたいと考えています。
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