井島先生のおシゴト日記+α

「コミュニケーション スキルアップ 基礎」 (北海道障害者職業能力開発校)

北海道障害者職業能力開発校の能力開発セミナーを担当させて頂いている。

29年度は「コミュニケーション力アップ」をテーマに、
前期と後期で6日間ずつ12時間のセミナーを開催する。

6月は【コミュニケーション技術科 コミュニケーションスキルアップ基礎】ということで、定員10名でスタートした。

障害をお持ちだとはいえ、受講者は普通に仕事に就かれ、会社員として仕事をしている。
身体、知的、精神と、障害も様々あるが、今回のセミナーは色々な方が参加してくれた。

正直、決してやりやすい研修ではない。
ヘンに気を使ってしまうこともあり、ことばも表現も気配りの仕方までも、考えて実施する。
おかげさまでもう5年以上にもなるので、
少しはその雰囲気にも慣れてはきたが、慣れだけではすむ事ではないと実感している。

今回は20代前半の方から、60代前半の方まで、男性3名女性7名のメンバーが、週に二回、夜の18:30からの二時間を熱心に通学してくれた。

内容は【話し方・聞き方】で、その中に挨拶、言葉遣い、PDSサイクル、報告、仕事のモチベーションアップを加えた。

参加者は
「コミュニケーションが苦手」
「空気が読めない」
「楽しく過ごしたい」
という参加の理由があったが、前半からクラスとして機能し始め、最終回はすっかり打ち解け、10年来の仲間のような良い雰囲気に包まれた。

たかが挨拶、されど挨拶、ということで、
数日にわたる研修では、まず、挨拶の意味を知り実行することの重要性を説く。
私はこの挨拶の効果は絶大だと信じている。
実行してもらえばもらうほど、目に見えて会話量、会話の質が上がり、
比例して相手を思いやれるようになる。

本当にいいクラス、前向きで明るいメンバーだ!!
担当のOさんに、「驚きです!」と言わせるほどの、チームができた。

今回私が学ばせてもらったことがある。
身体障害を持っているNさんが、同じ身体障害を持っている20代の若い男性に、
「(障害があると)大変なんじゃない!?」と聞いたときに
彼は
「生まれた時からだから、これが当たり前。だから大変ではない」と応えていた。
私からみたら、左半身が不自由な彼は、資料を封筒やカバンに入れる時、大変そうに見えて手伝ってあげたくなるほどなのだ。
でも、彼は明るく何気なく応えた。
『大変そうだ、助けてあげよう』と思いすぎた自分の気持が、そこに変な差別をつくろうとしていたと、反省させられた。