井島先生のおシゴト日記+α

平成26年の新入社員たち

4月、新入社員が入社し、街中が華やいでいるように感じる。

いろいろな思いをもって、社会人のスタートを切ったのだろう。

 

私も仕事がら、この時期の【新入社員ビジネスマナー研修】が多い。

 

初々しい新入社員さんたちに自己紹介をしてもらう際に、ちょっとした「ひとこと」をテーマに話してもらうようにしている。

 

今回は『今の気持ち』。

 

見た目を含めた印象は、しっかりしている若者が多い。

お利口な感じがする。

 

だが、まだ「学生気分が残っている」と自覚している方も多い。

「自分を出せていない」と感じていたり、かなり控えめな『今の気持ち』が出てくる。

 

 

毎年公益財団法人日本生産性本部が新入社員のタイプを発表している。

平成26年度の新入社員は『自動ブレーキ型』だ。
知識豊富で敏感。就職活動も手堅く進め、そこそこの内定を得ると、壁にぶつかる前に活動を終了。何事も安全運転の傾向がある。人を傷つけない安心感はあるが、どこか馬力不足との声も。どんな環境でも自在に運転できるようになるには、高感度センサーを活用した開発(指導、育成)が必要なのだ。

 

自動ブレーキ・・・無理なことはしなさそうだ。どちらというと、余力を残しているのが心地よいということなのだろう。

無理をしたり、疲れる努力をしてまで頑張ることが、かっこいいとか自分らしいとは思いたくないようだ。

仕事の楽しさは感じることができるのだろうか?

 

自動ブレーキのタイミングは、周囲とのコミュニケーションや人間関係が左右する。

 

最も感心するのは、屈託なく会話をし(距離感がとれていない感じは否めないが)、人と話がすぐにできるというのはなかなかすごい。

周囲に気を遣う、という会話ではなく、自己中心的な話題とノリではあるが、すぐに雑談が盛り上がり、自分たちの世界を創ることができる。

 

この関係が継続している間は安全で、この関係が危うくなりなじめる時がブレーキを変えるときのようなきがする。

一人にされるのが怖い、そんな内なる声が聞こえる。

 

 

この新社会人がこれからどう仕事や会社とかかわっていくのだろう?

 

会社説明会等で、学生から「御社はブラック企業ではありませんか?」という質問が多いと聞いた。

「職種や業界から、定時に帰れたり、十分な休みがもらえるように思えない。ブラック企業ではないのですか?」と聞かれるのだそうだ。

思わず、「時代だなあ」と笑ってしまった。

「あなたはブラック社員ではありませんか?と聞き返してみたいですね」と言ってみた。

制服を貸与した、ひと月以上の研修もした、先輩たちは気を使いながら接した、本人は半年後に辞めた・・・そんな話も聞かなくはない。

 

20代は縁のある仕事に集中し、情熱を注ぐことが必要だ。

自分の良さを見つけてくれて、ご縁をもらった会社で、一所懸命働いてみてほしい。

もがいていると何かを掴める。もがかなければ何にも触れられないかもしれない。

もがくことを教えられていない時代の子たちだ。

だからこそ、社会人になったらもがいてみてほしい。

 

「いつか同期を追い越せたらいいと思う。今はまだ後ろ姿しか見えないけど・・・」

これが教育だったのかな?

「追い越そうよ!追い越され人は、また追い抜けばいいよ!それが“切磋琢磨”っていうんだよ。

互いがそうすることが、一番“成長”につながるんじゃない?

成長したい、っていうのが目標なんでしょ?!」

 

横一列を保って手をつなぎながら走るのは、勧めない。

誰かが一歩前にでたり、また別の誰かが二歩前に出たり、そんな不規則な動きが刺激になり、前を目指していける。

 

今日は某企業の新入社員さんを前に、そんな話をした。