キャリアコンサルティングという仕事
北海道キャリアサポートセンターの仕事で、キャリアコンサルティングをさせて頂く機会が、多くあります。
キャリアコンサルタントが国家資格になって5年。
私はCDAの資格を20年以上前に取得し、国家資格キャリアコンサルタントへと移行しました。
この20年でこれほどキャリアコンサルティングを依頼されたことは、初めてかもしれません。
厚労省が力を入れて進めている分野ということもありますが、会社や組織の在り方も変化し、キャリアコンサルタントという存在が必要なのだと感じながら仕事をしています。
最近の若手社員
20代の若手社員と話すことが多く、新入社員研修等の集合研修で見せる少し生意気に感じる顔とはまた別の顔が見えます。
先輩社員からは「最近の若い人は・・・・」的な、どちらかというと、手がかかって大変だという感じのことが良く伝わってきます。
「飲み会誘っても来ないし、言葉を掛けてもそっけないし、気が利かないし、ちょっと叱ればすぐやめるし・・・」なんて。
でもこれは、もう何十年も前から繰り返されている社内の風景かもしれません。
さて、一方若手の社員たちは
社内の人間関係も、とても気を使って、年上の“上から目線”の先輩たちとの距離を縮めようと一生懸命です。
親には言われないような“嫌味のある言葉”も、懸命にポジティブに受け止めようとしています。
自分の立場をわきまえ、周囲の先輩に迷惑をかけないよう、怒らせないように、未熟な仕事を何とか自分なりにやり切りたいと頑張っています。
若手社員の問題?
実はとてもオトナなのです。
50代60代の大人たちより、空気を読んで、合わせて、我慢して、仕事に向き合っているようにも見えます。
彼らと話をしていると、もっと先輩の方から手を差し伸べられないものかと考えます。
わがままで勝手なのは、先輩社員の方かもしれません。
互いに歩み寄る必要がありますね。
32歳の“上司”に当たる立場の人が、「ジェネレーションギャップというか、育ってきた環境が違い過ぎて付き合い方(指導の仕方・コミュニケーションの取り方)がわからない」と言っていました。
10歳しか変わらないのに、です。
年齢や社歴とコミュニケーション力は比例していない
私はキャリアコンサルタントで、相手の話や気持ちを引き出して言葉にまとめていくのが得意です。当たり前ですが、そうすると、いろいろ話をしてくれます。仕事に対して、人間関係に関して、自分のキャリアアップについて、そして、家族間の悩みまで。
ということは、コミュニケーションが下手なのは若者だけではなく、上司・先輩にあたる人たちにも必要不可欠なのが、コミュニケーション能力だと云えそうです。
ちゃんと質問したら答えが返ってくるのです。ちゃんと質問できなければ、答えも声もかえってきません。
そんなことを毎度毎度感じています。
話を聴くということ
そして、コロナのせいだけではないと思いますが、ヤングケアラーということを耳にしますが、家にお金を入れて生活を担っている若い人たちが多いことに、改めて気づかされています。
実家から出られない理由があり、それは決して“楽だから”ではない。20代の若者の親御さんは年金生活者ではないのに、です。
キャリアコンサルティングを約1時間行うのですが、その時間の中で、
「自分のやりたいことがはっきりした」「自分の経験と強みを整理できた」という声が聞こえます。
とにかく、『話を聴いてもらった』『話したいことが話せた』と感じてもらえれば、嬉しい。
そして、力強く足を前に出せるきっかけになれば・・・そう思います。
令和の“会社”が、自分の仕事をするだけの場所になるのではなく、多くの人とかかわる中で、人として気づきと成長ができる場であることを望みます。