BLOSSOM通信

自分と相手の感情を把握し、状況に応じて自分の感情をコントロールできる能力の重要性

◆ビジネス社会の変化
コロナウイルスの流行という問題だけではなく、ビジネスマンの働き方、必要な能力など、【働く】【仕事をする】という意味合いが、今大きく動いているような気がしています。

時代も昭和➡平成➡令和と、目の前を3つの時代が通っていきました。
環境も文化も経済も教育も変わり始めると、常識・マナー・コミュニケーションも変わらざるを得ません。
その変化が、今とても大きな波になって押し寄せてきているように感じています。

大きな波は【感情表現】の在り方だと思います。

ビジネスマンのスキルアップ研修をしている弊社の設立が5月11日です。
もう17年が過ぎました。

私は、女性で、家庭も子供もいましたが、ほぼほぼ、仕事をもって働いていたので、その感覚の延長線上で、“ビジネス研修”は私にとっては難しいものではないと感じていたと思います。
「部下という立場」も「上司という立場」も経験し、「結果を出すことで認められていく」時代を過ごしたことも、そこに通じることだと考えていました。

◆『感情を出してはいけない』時代
振り返ると
仕事をするうえで・・・
合わない上司がいて、今でいうモラハラを受けたこと
仕事と家庭(育児・夫婦生活)の両立が難しかったこと
女性と男性の格差を感じ悔しい思いをしたこと

もちろん良いことも・・・
働けば働いた分、給料がもらえたこと
キャリアウーマンと呼ばれ、女性活躍のさきがけになったこと
女性でも、中途採用でもそこそこの出世ができたこと

一方そんな中で、ビジネスの場面では『感情を出してはいけない』と強く感じていくようになったと思います。

『感情を出さない』ことを『平常心』というとかっこよくも聞こえますが、『乱れない心』・『無感情』という意味合いが強かったと思います。
『感情を出さない』ことが、デキル自分と認め、また認めてもらうために必要なことだと思っていました。

まあ、そんなこんな経験を踏まえ、今までビジネス研修をやってこれたのだと思います。
もちろん、しっかり報酬を頂くので、ビジネスの基本・ビジネスマナーの基本に、コーチング・NLP・交流分析・ワークライフバランス・キャリアコンサルタント等々の自分が好きな分野の勉強と資格を取得しながら、講師をしてきました。

それでも私には、「ビジネスマンのスキルアップ研修」という仕事は自分の軌跡の延長線上にあると感じていました。
つまり、私の常識や考え方が今の時代にも通じるはずだという思い込みでもありました。

そして昨今、時代とその中のビジネスの在り方、働く人の意識や考え方が大きく変化してきています。

今までちょっと隠れていて目立たなかったことが、近年、重要視されているようです。

それは【EQ】です。

◆心の知能指数
10年以上も前でしょうか、ベストセラーになったと思いますが、最近また【EQ】が新鮮なパワーを発揮しているのをご存じでしょうか。

【EQ】は【感情知性】【心の知能指数】と言われます。
心理学博士のダニエル・ゴールマンによると、EQは次のような能力であるとされています。
• 自分自身を動機づけ、挫折してもしぶとくがんばれる能力
• 衝動をコントロールし、快楽を我慢できる能力
• 自分の気分をうまく整え、感情の乱れに思考力を阻害されない能力
• 他人に共感でき、希望を維持できる能力
つまり、自分と相手の感情を把握し、状況に応じて自分の感情をコントロールできる能力であるといえます。

ですが、10年前にこの本を読んだ時は、「ビジネス書」と位置付けて読んでいたのを思い出します。リーダーシップをとっていくには…的な目線で、参考にしようとしていた自分がいました。
だから、流行りに乗ってはいても、実は明確にはわからなかったのです。どこかピンと来なくて(笑)

そして、様々な心理学を学んだ今は、とてもよくわかるようになりました。

心理学ブームもあったせいか、そしてそれに加えてメンタル不調の人も少なくないせいか、感情を素直に出してもいい、と時代も変わってきています。

そして、ロジック優先だったビジネスの世界も、今や【人の行動を突き動かしているのは感情である】とまで言い切っています。
感情を抑えることより、感情を表現することが優先になってきています。

と、ここが少々厄介でもあるのですが、
むやみやたらに感情を出すというわけではなく、「適切に」です。
人の感情の数は2185あるといいます。
“今ここ”の、これらの感情を理解し、そして「適切に」その感情を表現する。
それは簡単なことではありません。

【EQ】は難しくて当然だったのかもしれません。

◆自分と相手の感情を把握し、状況に応じて自分の感情をコントロールできる、か?
上司が部下に対してしてしまう、間違いがあります。
1.すぐに解決策や助言を与えようとする
2.リーダーとして、外部から優秀な人材を持ってくる
3.自分も部下も同じレベル・同じ気持ちだという前提を持つ
4.常に冷静な自分でいる

これらは相手の感情・気持ちをないがしろにした自分勝手な行為です。
・一方通行のコミュニケーション
・効率のみを優先する(プロセスを軽視する)、
・部下の話を聴かない
・機械的な無感情

これでは部下の不満ばかりが募ります。
そう、ここには「感情」が存在していないのです。

【EQ】のスキルは【自他の感情を理解できる】そして【適切に自分の感情を表現できる】です。
これからのチームビルディングはメンバーの感情の違いを、リーダーが認識できなければ難しくなるでしょう。
リーダーに求められるマネジメント力も、コミュニケーション力も大きく変化をし始めているのだと考えます。

私の長いビジネスパーソン、サラリーマンとしての、部下だったり、上司だったりという経験は無意味ではないと思いたいですが、もっと別の視点から、もっと有効なスキルが必要になっているようです。
社会人には、【EQ】は更に必要不可欠になります。

私は、NLPをはじめとする心理を学び始めて15年以上。
キャリアコンサルタント等で、キャリアについての現状や新しい理論にも触れる機会があり、カウンセリングも学びました。
全て【コミュニケーション力】にも通じます。

そして、【EQ】を高めるにはNLPをはじめとする現代心理学が効果的です。
【EQ】は自分の感情・思考のマネジメントができることに加え、他者の感情理解も必須です。
従来の職場の人間関係以上に、実は、より人間的な素直な関わりへとつなげる感情の相互理解、つまり心理学を知ることが求められ始めているということです。

私も、10年前に米国NLP協会認定トレーナーの資格を取得して以降は、自分の研修に「NLPを活かして」とスパイスを振ってきました。
本当に、あらゆる場面で『心理的な知識』が必要だと思ったからです。
そして、3年前からは個別に【NLPメンタルコーチング イジマメソッド】を教え始めています。

【EQ】もまず自分の感情・思考を理解するところからですが、【NLPメンタルコーチング】も自分の感情・思考・価値観を客観視できるように学びます。
そして、適切に表現し、質の高いコミュニケーション力を養います。
多くの人に勉強してほしい分野です。

コミュニケーション力は黙っていては身につきません。
人とのかかわりに距離を創るようになりつつある今、もっともっと誰もがコミュニケーション力を上げていくべきだと考えています。
自分と相手の感情を把握し、状況に応じて自分の感情をコントロールできる能力です。