BLOSSOM通信

タメ口改善法 話し方は『敬語』より『表現法』がカギ

話し方の研修をする時、私は『敬語』より『表現法』を、メインに教えます。
なぜなら、表現の仕方一つで、印象が変わり、伝わる感情が違うからです。
表現とは、声のトーンや大きさ、抑揚、顔の表情、身振り手振りなどを総合的に使って、ことばに感情を乗せていくことを言います。
上手くできていますか?

ため口という話し方があるようです。
ため口とは相手と対等な口をきくこと、敬語を使わず、なれなれしく話すことと言う意味があります。
人間同士は対等で平等ですが、
いろいろな環境や場面によって、人は相手との距離感を考え『関係』を構築していきます。

ため口で人に嫌悪感を与えず話すことが可能なのは小学校の低学年くらいまででしょう。
「先生、わかんない」といっても可愛いものです。
大人になるとは、その話し方も変え、相手に嫌悪感を与えず会話ができるという事だと、私は考えています。
北野武さんや坂上忍さんも、ため口について苦言を呈していますが、私も同感。
北野さんたちはキツイ言葉も使いますが、相手と状況を考慮して話しています。
さすがです。

さて、新人社員の研修を振り返ると、今年の若者は『悟り世代』ともいわれ、
実は同年代の人と仲良くなるのが早いです。
同年代が多いと、あっという間に空気も創り、一見“いい感じ”のコミュニケーションが繰り広げられるのです。
一方では、彼等にきくと、
「コミュニケーションを取るのが苦手です」と言うので、不思議な感じがします。

そして、実際にそんな課題を抱えていると感じています。

最近の若者の多くは「距離感」を掴む、または考えるということが不得手のようです。
誰にたいしても“同じ言葉”“同じ表現”で会話をします。
それは悪い面ばかりではありませんが、臨機応変さも大人になれば必要です。
【ため口=親しみ⇒良い人間関係 】とは限りません。

今は
学校の先生も、会社の上司も、そして親までもが、
自分達に合わせさせるのではなく、
自分達が若者に合わせてしまっていた代償だと思っています。

距離感を感じる、そして相手に感じてもらうことは、ビジネスでは必須です。
ビジネスマナーは「敬語」と言う過信があるのは否めませんが、
ビジネスマナーは全般通して、「相手への気遣い」という『表現法』を身に付けなくてはなりません。
言葉をどう表現し、距離感をとり、相手との人間関係を構築していくか、とても重要な事でしょう。

私は教える立場として、
「周囲の人の言葉の使い方を真似しながら、身に付けていくとよい」と言いますが、
今私たち会社の先輩や上司として、また子供の親として、
「その言い方は間違っている」と教えてやることも大事なのです。

私の言葉遣いや話し方の研修では
クッション言葉の理解と、クッション言葉をつかった話しかたの組み立てをメインに教えています。
自分の相手に伝えたい気持ちも考えてもらい、
気持ちを伝える話し方を実践できることを、目指しています。