BLOSSOM通信

人の“4つの幸せを”を感じるために

人には『愛されること』『ほめられる事』『役に立つこと』『必要とされること』という4つの幸せがある。
 
先日何気なくテレビを見ていると、『カンブリア宮殿』の再放送。
日本理化学工業の大山社長がゲストです。この会社は、粉が出にくく体に優しいダストレスチョークのメーカーとして、全国シェアの30%を占めています。さらに、社員74人中54人が知的障害者で、障害者の雇用を積極的に行っている会社です。
そう簡単には出来ないことを昭和34年から継続している素晴らしさに加え、この会社で働いている障害者の方たちはとてもイキイキと毎日通勤しているのだそうです。
 
なぜ、障害を持って大変なのにイキイキと仕事が出来るのか。大山社長の疑問に対しての禅の僧侶の応えが、冒頭の4つの幸せの話です。
人は仕事をすることで、このうちの3つの幸せを得られるというのです。
幸せを得ることのできた日本理化学工業に採用された皆さんは、感謝の心を持ってイキイキと仕事に向かっているのです。
 
人生を考えるとき、『愛する時間』と『愛される時間』があり、『取り組むべき課題を持ち』そして『自分が誰かの役に立っている』という実感がある。・・・そんな人生は私たちに幸せを感じさせてくれると言います。
 
「人は意味があって生まれてくる」・・・私はこの言葉を本気で信じています。辛くても、悲しくても、また楽しくて豊かで、どんな状況におかれた自分も、意味があって生きている、また生かされているのだとも思います。
 
何のために?幸せになるためにです。
 
30代に離婚を経験して、子供2人と母を抱え、たいした能力もない私が心に決めたことは『昨日より今日、今日より明日を楽しくて幸せな日にしよう』です。
過去を振返ったところで、何も生まれないし、戻れないことも理解できていた年齢です。
今このときより、1秒後、1分後を豊かに幸せに感じることができないことは辛いと思いました。強がりだったかもかもしれません。
でも、明日は明るい日と描きます。今日泣いたら、明日は笑顔でいましょう。今日泣くのは明日笑顔でいるため。今日の私の笑顔は、明日は誰かと一緒に笑えるためにあるのです。
 
この気持ちは、今も同じです。
 
自分の事はもちろん、夫婦、子供そして親のことなど不、安だらけの“老後”へ進みつつある同級生との会話の中で、
「今、幸せ?」と云う問に「幸せ、幸せ!!でもこれからがもっと幸せに楽しくなるんだよ!」と答えたら、ちょっと呆れた顔もされました。
ですが、最後に、「幸せな人生だった!」とつぶやけなければ、頑張って生きている意味がありません。
そう、人は幸せになるために生まれてきたのです。
 
少し前まで、私は「幸せになる=幸せにしてもらう」方程式が頭の中にありました。
白馬の似合う王子様が私を幸せにしてくれることが私の幸せだと、ずっと幸せ探しをしていたような気がします。
起業して、若干ですが経営を学び、経営者としてもサラリーマンとはまた違った世の中を見て、今はこう考えています。
 
幸せは、“自分の手で幸せになること”。人を幸せにするためには、自分が一番の幸せ者でなければ人を幸せには出来ないのです。
そのために自分探しではなく自分創りをしなくては前に進めません。
 
自分創りを始めるといろいろな人や物に出会い、新しい発見と出来事に心が躍ります。
全てがうまくいくわけがありませんが、見えもしない何かを探すことより、少しずつでも築いて形にしていく喜び楽しみのほうが大きいのは間違いありません。
 
自分探しをしていると、見つからないことを周囲の誰かのせいにできます。
世の中がおかしい。会社がおかしい。自分を解ってくれない。等々。
自分でも自分の事を解らないと言うのに、人が自分の事を解ってくれるわけがない。自分でもどうして良いか分からないのに、人がアドバイスできるわけがない。そう思いませんか。自分探しは言い訳になってしまいそうです。
 
日本理化学工業の社員の皆さんも、一生懸命仕事をすることで『ほめられる事』『役に立つこと』『必要とされること』を体験し、3つの幸せにできたのではないでしょうか。
 
もう一つ、この日本理化学産業では採用時雇用契約を結ぶときに3つの意思確認、約束をしているのだそうです。
『自分の事は自分で出来る』『一生懸命仕事をする』『意思表示は自分で出来る』『周囲に迷惑を掛けない』の4つです。
障害の有る無しにかかわらず、基本であり忘れてはいけないことだと改めて教えられました。